2005年 08月 29日
「ぼくの悲しい一日」・・・光と影の記憶 |
ぼくの好きな写真家の内田ユキオさんが、先日発売された「カメラマガジン」(枻出版)にこんな風に書いておられた。
『怒ったときには声を荒げる代わりに、哀しいときには涙の代わりに、おかしいときには笑う代わりに、シャッターを切ってみればいい。』
夏目漱石『草枕』の一節、
「腹が立ったら一七字の俳句にまとめてみればいい」(孫引きです、すみません。)
から、写真を語られた物語。
************************
台風が去った翌々日、青空に誘われて、仕事へ行くのに「ぺん」をぶらさげてゆく。
いままでは、仕事の途中手を止めて写真を撮ろうとは思いもしなかったが、「ぺん」ならば何とかシャッターを切れるのでは、と・・・・。
その日の仕事は「単車」。いつものように「鼻歌まじり」。なんら変わることはない。
たまに、スタンドがうまく立っていなくて、単車がこけることなんて、日常茶飯事。
「がっちゃぁぁぁ~ん!」、はいはい、またこけたのね!
「えっ!ぺんは?・・・・・。」
とりあえず、レンズキャップをしている状態で、外傷はないよう。仕事を終わらせないと・・・。
その後、おしている仕事に追われて、充分に確かめる時間が取れなかった。
昨日、出かける直前に、持って出ようとした「ぺん」のレンズキャップをはずすと・・・・。
「ジャリ・・・」ってなんのおと? フィルターが「バリバリ」に割れている。
もうこの時点で「パニック」。とにかく出かける時間なので、あわてていては良くない。
帰ってから見ることにしよう。いまは「みなかったこと」にしよう。
もう、きのう一日は「ウワノソラ」。へこみっぱなしで・・・・・・。
「B工房」でも集中できず、それでもカビネ30枚ほど焼いてきた。出来は・・・?
「そのこと」はもちろん黙っていて、一緒に出かけた「よめさん」とも、
「あること」がきっかけで、「険悪」なムードに・・・・。
もう、悪いことって重なるもんですねぇ。
************************
今朝、よめさんが出かけた後に、「そうっ~と」レンズキャップを開けてみると・・・・
フィルターは粉々、フィルター枠は外れないが、どうやら本体レンズは無事のよう。
シャッターも切れるし、なんとかなった!!! 壊れたのはフィルターだけか?
「ほっ・・・・・・ふっぅぅ~」(大きな溜息・・・)
レンズキャップをはずし、こなごなのフィルターを見たときに、「冒頭の文章」を思い出した。
この気持ちを「俳句」には出来ないけれど、壊れたフィルターのついたカメラを写真に撮っておこう。いまのこの「複雑な気持ち」を記憶しておくために。
冒頭の「シャッターを切ってみればいい」には続きがある。
『怒りは過去のものとなって遠ざかり、哀しみは誰かのもののように痛みが薄れ、喜びは時間を経てふたたび心を温めてくれるだろう』
仕事に対する「教訓」
よめさんに対する「お詫び」
無事だったカメラに対する「よろこび」
『複雑な気持ち』すべてを「シャッター」をきることで、過去のものとして心に刻んで、
「傷」はすこしやわらぎ「喜び」は深く想い、「気持ち」はいくぶん楽になった。
「この写真」を時を経てみたときに、ぼくは何を「おもう」のだろう。
光と影の記憶は、いつもこうしてぼくのそばにいてくれている。 ありがとう。
『怒ったときには声を荒げる代わりに、哀しいときには涙の代わりに、おかしいときには笑う代わりに、シャッターを切ってみればいい。』
夏目漱石『草枕』の一節、
「腹が立ったら一七字の俳句にまとめてみればいい」(孫引きです、すみません。)
から、写真を語られた物語。
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台風が去った翌々日、青空に誘われて、仕事へ行くのに「ぺん」をぶらさげてゆく。
いままでは、仕事の途中手を止めて写真を撮ろうとは思いもしなかったが、「ぺん」ならば何とかシャッターを切れるのでは、と・・・・。
その日の仕事は「単車」。いつものように「鼻歌まじり」。なんら変わることはない。
たまに、スタンドがうまく立っていなくて、単車がこけることなんて、日常茶飯事。
「がっちゃぁぁぁ~ん!」、はいはい、またこけたのね!
「えっ!ぺんは?・・・・・。」
とりあえず、レンズキャップをしている状態で、外傷はないよう。仕事を終わらせないと・・・。
その後、おしている仕事に追われて、充分に確かめる時間が取れなかった。
昨日、出かける直前に、持って出ようとした「ぺん」のレンズキャップをはずすと・・・・。
「ジャリ・・・」ってなんのおと? フィルターが「バリバリ」に割れている。
もうこの時点で「パニック」。とにかく出かける時間なので、あわてていては良くない。
帰ってから見ることにしよう。いまは「みなかったこと」にしよう。
もう、きのう一日は「ウワノソラ」。へこみっぱなしで・・・・・・。
「B工房」でも集中できず、それでもカビネ30枚ほど焼いてきた。出来は・・・?
「そのこと」はもちろん黙っていて、一緒に出かけた「よめさん」とも、
「あること」がきっかけで、「険悪」なムードに・・・・。
もう、悪いことって重なるもんですねぇ。
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今朝、よめさんが出かけた後に、「そうっ~と」レンズキャップを開けてみると・・・・
フィルターは粉々、フィルター枠は外れないが、どうやら本体レンズは無事のよう。
シャッターも切れるし、なんとかなった!!! 壊れたのはフィルターだけか?
「ほっ・・・・・・ふっぅぅ~」(大きな溜息・・・)
レンズキャップをはずし、こなごなのフィルターを見たときに、「冒頭の文章」を思い出した。
この気持ちを「俳句」には出来ないけれど、壊れたフィルターのついたカメラを写真に撮っておこう。いまのこの「複雑な気持ち」を記憶しておくために。
冒頭の「シャッターを切ってみればいい」には続きがある。
『怒りは過去のものとなって遠ざかり、哀しみは誰かのもののように痛みが薄れ、喜びは時間を経てふたたび心を温めてくれるだろう』
仕事に対する「教訓」
よめさんに対する「お詫び」
無事だったカメラに対する「よろこび」
『複雑な気持ち』すべてを「シャッター」をきることで、過去のものとして心に刻んで、
「傷」はすこしやわらぎ「喜び」は深く想い、「気持ち」はいくぶん楽になった。
「この写真」を時を経てみたときに、ぼくは何を「おもう」のだろう。
光と影の記憶は、いつもこうしてぼくのそばにいてくれている。 ありがとう。
by bochibochi35
| 2005-08-29 10:53
| 心を写す玉手箱