2014年 01月 29日
Pippoさん、粥彦さんと「詩の森」を旅してみませんか? |
もう何年か前のお話ですが、
ある日、奈良でカフェに立ち寄りました。
その界隈では、ひとと一緒に鹿もあるいています。
ケーキとチャイを待つ間に、古い机におかれた小冊子を手に取りました。
手書きの文字が、ぼくの手を誘っていたのでしょう。
ふと手にとって、言の森に入っていきました。
鹿とおはなしするひとが描かれていました。
ひととはなす猫が描かれていました。
木にはいっていく旅人が、描かれていました。
「言の葉」の絵の具で。
「詩」というのは、
森の中のちいさな葉っぱのようなものかもしれません。
気づいてしまったら、きになるのでしょう。
たぶん、ぼくにとってとても大切な言葉だったから、
一枚の葉っぱは、語りかけてきたのだと思うのです。
ひとの森を、しずかに耳をすませて歩いていると、
葉っぱのような、素敵な人に出会うようになりました。
本と旅をしていたら、
素晴らしいひとたちとおはなしできる場に出会いました。
詩の森の葉っぱを頭にのせると…
小さな「詩の会」の招待状をもった「たぬきおやじ」に、
変身してしまいました。
詩の森へ、ようこそおいでくださいました。
おいしい珈琲と、おいしい食事をご用意しています。
ごゆっくりおくろぎください。
ファンチャーナさんでの朗読会の詳細
■日時:2014年2月11日(火・祝)
●第一部「Pippoのポエトリーカフェ入門編@なら」15:45-18:00
《課題詩人:杉山平一/西尾勝彦》
ゲスト:西尾勝彦(粥彦)さん
●第二部「西尾勝彦さん 詩の朗読会 (ゲスト:Pippo)」 19:00-19:30
《ご参加費用》Pippoのポエトリーカフェ入門編@なら
1000円(1ドリンク別途オーダー制)
2300円(ディナー・ドリンク付き)
※第一部~、ディナーをはさんでの二部の開始となります
西尾勝彦の朗読会 無料(1ドリンク別途オーダー制)
《ご予約・お問い合わせ》
0745-73-1187 カフェ ファンチャーナ
●会場:カフェ ファンチャーナ
http://www.funchana.com/
OPEN 8:30~19.00 (定休:毎週水曜日・第3木曜日)
奈良県生駒郡三郷町立野南1-24-5 ハビタブル1F ※駐車場あり
《JR三郷駅より川沿い東へ徒歩4分》 TEL&FAX:0745-73-1187
もっと詳しい説明(Pippoさんの言葉)
詩の気さくなまなび場「Pippoのポエトリーカフェ入門編 inなら」
~出張開催篇!@奈良 カフェ ファンチャーナ~
さて、2014年2月は初の「ポエカフェ入門編」奈良開催♪
奈良ですてきな古本市を定例で開催しておられるぼちぼち堂さんからのお誘いで、「ほっと、ふるほん たまて箱」@カフェファンチャーナ(1/1~2/11)の最終日のイベントとして、ゲストでお呼びいただきました。
第一部の「ポエカフェ入門編inなら」では、神戸を代表する詩人・杉山平一、そしてご活躍中の奈良の詩人、西尾勝彦さんをご紹介。
こ のお二人に通底するのは、人へ、また世界にたいする、暖かで誠実なまなざし。そして詩がなにより「簡潔・平明」な言葉で、読む人の心にストンと入ってくる ように、えがかれていることです。そんな 詩を書くことは、本来とても難しいことなのですが、この二人の詩人は、みごとに「自分だけの言葉・表現」を作り上げています。「詩人は、どうやって世界を みて、感じて、詩の言葉をうみ出しているのか?」奈良で、詩の気さくな学び場「ポエトリーカフェ」を初開催するにあたり、「詩って?詩人って?」という 方々にも、親しみ、楽しんでいただけるように 「入門編」にふさわしい、すてきな詩人二人をご紹介します。そして、第二部は、その西尾勝彦さんの詩の朗読会があります。
皆さんとぜひ、ともに詩と詩人のひとときを楽しめたら嬉しいです。
《チョコッと詩をご紹介》
【西尾勝彦】
「そぼく」
いつからか
素朴に
暮らしていきたいと
思うようになりました
飾らず
あるがままを
大切にしたいと
思うようになりました
そうすると
雲を眺めるようになりました
猫がなつくようになりました
静けさを好むようになりました
鳥の声は森に響くことを知りました
けもの道が分かるようになりました
野草の名前を覚えるようになりました
朝の光は祝福であることを知りました
人から道を尋ねられるようになりました
遅さの価値を知る人たちに出会いました
一日いちにちが違うことを知りました
ゆっくり生きていくようになりました
鹿の言葉が分かるようになりました
雨音が優しいことを知りました
損得では動かなくなりました
わたしはわたしになりました
―『言の森』より(2012)
========
「優しさ」
本当に強い人は優しい
幾多の困難に打ちのめされても
はい上がってきたから
苦しみや悲しみを心の底で
感じてきたから
自分が人に助けられてきたことを
知っているから
そして優しい人は弱い
すぐに
人を信じてしまうから
すぐに
心 傷ついてしまうから
でも弱い人は強い
その矛盾を
噛みしめて生きているから
その矛盾を
深い
優しさに代えていくから
―『朝のはじまり』より(2010)
=====================================
【杉山平一】
「問い」
手段がそのまま
目的であるのはうつくしい
アイスクリームの容れものの三角が
そのままたべるウエファースであり
運ぶ材木の幾十百本が
そのまま舟の筏であるように
「なんのために生きるのです」
そんな少女の問いかけに
「問いはそのまま答えであり」と
だれかの詩句を心に呟きつつ
だまつて僕は微笑んでみせる
―『ぜぴゅろす』1977年刊 より
========
「わからない」
お父さんは
お母さんに怒鳴りました
こんなことわからんのか
お母さんは兄さんを叱りました
どうしてわからないの
お兄さんは妹につっかかりました
お前はバカだな
妹は犬の頭をなでて
よしよしといいました
犬の名はジョンといいます
―『希望』2011年11月刊 より
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ある日、奈良でカフェに立ち寄りました。
その界隈では、ひとと一緒に鹿もあるいています。
ケーキとチャイを待つ間に、古い机におかれた小冊子を手に取りました。
手書きの文字が、ぼくの手を誘っていたのでしょう。
ふと手にとって、言の森に入っていきました。
鹿とおはなしするひとが描かれていました。
ひととはなす猫が描かれていました。
木にはいっていく旅人が、描かれていました。
「言の葉」の絵の具で。
「詩」というのは、
森の中のちいさな葉っぱのようなものかもしれません。
気づいてしまったら、きになるのでしょう。
たぶん、ぼくにとってとても大切な言葉だったから、
一枚の葉っぱは、語りかけてきたのだと思うのです。
ひとの森を、しずかに耳をすませて歩いていると、
葉っぱのような、素敵な人に出会うようになりました。
本と旅をしていたら、
素晴らしいひとたちとおはなしできる場に出会いました。
詩の森の葉っぱを頭にのせると…
小さな「詩の会」の招待状をもった「たぬきおやじ」に、
変身してしまいました。
詩の森へ、ようこそおいでくださいました。
おいしい珈琲と、おいしい食事をご用意しています。
ごゆっくりおくろぎください。
ファンチャーナさんでの朗読会の詳細
■日時:2014年2月11日(火・祝)
●第一部「Pippoのポエトリーカフェ入門編@なら」15:45-18:00
《課題詩人:杉山平一/西尾勝彦》
ゲスト:西尾勝彦(粥彦)さん
●第二部「西尾勝彦さん 詩の朗読会 (ゲスト:Pippo)」 19:00-19:30
《ご参加費用》Pippoのポエトリーカフェ入門編@なら
1000円(1ドリンク別途オーダー制)
2300円(ディナー・ドリンク付き)
※第一部~、ディナーをはさんでの二部の開始となります
西尾勝彦の朗読会 無料(1ドリンク別途オーダー制)
《ご予約・お問い合わせ》
0745-73-1187 カフェ ファンチャーナ
●会場:カフェ ファンチャーナ
http://www.funchana.com/
OPEN 8:30~19.00 (定休:毎週水曜日・第3木曜日)
奈良県生駒郡三郷町立野南1-24-5 ハビタブル1F ※駐車場あり
《JR三郷駅より川沿い東へ徒歩4分》 TEL&FAX:0745-73-1187
もっと詳しい説明(Pippoさんの言葉)
詩の気さくなまなび場「Pippoのポエトリーカフェ入門編 inなら」
~出張開催篇!@奈良 カフェ ファンチャーナ~
さて、2014年2月は初の「ポエカフェ入門編」奈良開催♪
奈良ですてきな古本市を定例で開催しておられるぼちぼち堂さんからのお誘いで、「ほっと、ふるほん たまて箱」@カフェファンチャーナ(1/1~2/11)の最終日のイベントとして、ゲストでお呼びいただきました。
第一部の「ポエカフェ入門編inなら」では、神戸を代表する詩人・杉山平一、そしてご活躍中の奈良の詩人、西尾勝彦さんをご紹介。
こ のお二人に通底するのは、人へ、また世界にたいする、暖かで誠実なまなざし。そして詩がなにより「簡潔・平明」な言葉で、読む人の心にストンと入ってくる ように、えがかれていることです。そんな 詩を書くことは、本来とても難しいことなのですが、この二人の詩人は、みごとに「自分だけの言葉・表現」を作り上げています。「詩人は、どうやって世界を みて、感じて、詩の言葉をうみ出しているのか?」奈良で、詩の気さくな学び場「ポエトリーカフェ」を初開催するにあたり、「詩って?詩人って?」という 方々にも、親しみ、楽しんでいただけるように 「入門編」にふさわしい、すてきな詩人二人をご紹介します。そして、第二部は、その西尾勝彦さんの詩の朗読会があります。
皆さんとぜひ、ともに詩と詩人のひとときを楽しめたら嬉しいです。
《チョコッと詩をご紹介》
【西尾勝彦】
「そぼく」
いつからか
素朴に
暮らしていきたいと
思うようになりました
飾らず
あるがままを
大切にしたいと
思うようになりました
そうすると
雲を眺めるようになりました
猫がなつくようになりました
静けさを好むようになりました
鳥の声は森に響くことを知りました
けもの道が分かるようになりました
野草の名前を覚えるようになりました
朝の光は祝福であることを知りました
人から道を尋ねられるようになりました
遅さの価値を知る人たちに出会いました
一日いちにちが違うことを知りました
ゆっくり生きていくようになりました
鹿の言葉が分かるようになりました
雨音が優しいことを知りました
損得では動かなくなりました
わたしはわたしになりました
―『言の森』より(2012)
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「優しさ」
本当に強い人は優しい
幾多の困難に打ちのめされても
はい上がってきたから
苦しみや悲しみを心の底で
感じてきたから
自分が人に助けられてきたことを
知っているから
そして優しい人は弱い
すぐに
人を信じてしまうから
すぐに
心 傷ついてしまうから
でも弱い人は強い
その矛盾を
噛みしめて生きているから
その矛盾を
深い
優しさに代えていくから
―『朝のはじまり』より(2010)
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【杉山平一】
「問い」
手段がそのまま
目的であるのはうつくしい
アイスクリームの容れものの三角が
そのままたべるウエファースであり
運ぶ材木の幾十百本が
そのまま舟の筏であるように
「なんのために生きるのです」
そんな少女の問いかけに
「問いはそのまま答えであり」と
だれかの詩句を心に呟きつつ
だまつて僕は微笑んでみせる
―『ぜぴゅろす』1977年刊 より
========
「わからない」
お父さんは
お母さんに怒鳴りました
こんなことわからんのか
お母さんは兄さんを叱りました
どうしてわからないの
お兄さんは妹につっかかりました
お前はバカだな
妹は犬の頭をなでて
よしよしといいました
犬の名はジョンといいます
―『希望』2011年11月刊 より
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by bochibochi35
| 2014-01-29 02:36
| もくもく玉手箱

