2006年 10月 27日
「小さな旅」 ~阪堺から水間①~ |
前日は日本シリーズで、日ハムの優勝が決まり、それと同時に出勤。因果な仕事だ。
どうせなら、タイガースの優勝であってほしかったと言うのは、調子よすぎか(笑)。
金曜日、平日の休日。さて、何をしようかと迷っていた。
体は、疲れているのに、なぜかどうしても出かけたくなる。
「仕事」への行き詰まり感が、高まってくると現れる現象であることは、うすうすわかっている。
前日、遅くからの仕事で結局何も決まらぬまま朝を迎えた。
休みの日の早起きがつらくないのは、小学生のときから変わっていない。
夏休みなんかは、毎朝5:00には、起きて遊びに出かけた。
ラジオ体操は、そのウォーミングアップみたいなもので、つらくはなかった。
話がそれたが、今日は「小さな旅」。起きた瞬間に決まり。
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よめはんを送り出してから、いざ出発進行♪
とはいえ、近鉄に乗っている間は、旅気分になれない。
鶴橋で乗り換え、地下鉄のノーマイカーチケットを買う。
これで、一日地下鉄は乗り放題。600円はお得。さぁ、もとは取れるのか?
日本橋で堺筋線に乗り換え、恵比寿町へ。
阪堺電車に乗る前に、新世界を散歩。
黄金色に塗り替えた「通天閣」を眺める。
モノクロ写真にしたら、金色かどうかわからんなぁ(笑)
線路をみると、血が騒ぐ。「てっちゃん道」初段クリア。
ポイント、踏み切り、信号、枕木、ホーム、駅舎、指差し確認。3段認定。
「恵比寿町」の駅周辺を、不審者のごとくカメラを片手に歩きまわる。
おかげで、3本の電車を過ごして、やっと電車のひととなる。
阪堺電車も、一日乗車券。これも600円。これで、どこでも降りられる。
昔はあまり、路面電車に関心はなかったのだが、このごろとても気になっていた。
一番近くで乗れるのが、この「阪堺電気軌道」。お手軽に楽しめる。
おまけに、阪堺というだけあって、堺の「浜寺駅前」まで、かなりの長距離。
電車は、右に左に揺れながら、軒をかすめて、車をかきわけて走ってゆく。
こまめに停まりながら走るので、街の様子がよくわかって面白い。
大和川を渡ると堺。ところどころに古い町屋が残っている。
だんだんと町が遠ざかり、お客さんが少なくなったころ、浜寺駅前に着いた。
小一時間ほど走っただろうか。降りてもしばらく電車のゆれを体が覚えている。
南海「浜寺公園駅」は、とても素敵な駅。
丸ポストと閑散とした駅前は、駅とともに時間が止まったようなのだが、
すぐ近くに大きなマンションが暴力的に建っている。
風景に溶け込まずに、斬りつけられているような違和感を受ける。
「残念だ」と言ってみても、ぼくの勝手な感想に過ぎない。
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南海電車で、貝塚を目指す。
まさかこんなに遠くで、時間がかかるとは思わなかった。
この貝塚から水間観音のある水間まで「水間鉄道」が出ている。
いつでも乗れる、いつまでもそう思っていたのに乗れなかった。だから今日、初めて。
このところ、何度かニュースに登場していて、ちょっとした「マイブーム」。
実は、この鉄道、更正手続きをとって、「うどんの杵屋」によって再生されている。
その不思議な組み合わせが、ぼくの興味をかきたてた。
まぁ、新聞に踊らされたと言っても過言ではないが、踊ったら楽しいという確信があった。
だから、視察兼、乗りつぶし兼、写真散歩、でローカル線の「小さな旅」。
電車は、銀色の2両編成。今日は金銀がテーマかな?財布の中は寂しいが・・・
貝塚を出て大きく東にカーブすると、そのまま山へ向かって走る。6キロ弱という。
こまめに駅があり、やさしい地域の足。
駅は「青」のペンキで塗られている。みんなの手塗りだろう。手作りの鉄道。そんな感じ。
若い車掌さんは、よく動き、よく働き、笑顔がこぼれる。
ベビーカーのお客さんには、手を差し伸べる。ありがとうと大きく明るい声で言える。
あたりまえかもしれない、そのことが、新鮮に感じるのは、なぜだろう?
単線の鉄路を電車は、のんびりと走る。
途中駅で、一度、すれ違う対向列車。
20分に一本列車があったら、お客さんにはとても便利だと思う。
ほどなく終点の水間駅に着いた。
お寺を模した駅舎は、昔の奈良駅に似ている。
こうして現役で使われて、列車が行き来する。
その当たり前の光景があって、初めて駅は輝いて見えるのではないか。
「水間驛」の駅名板に、そんな想いを寄せて眺めた。
水間についてから食事にしよう。
そう思っていたが、駅前にはほとんどなにもない。
かろうじてあった弁当屋さんで、これもかろうじて残っていたおにぎり二つ。
手作りのおにぎりは、コンビにのおにぎりより、遥かにおいしい。
二つでは、足りないけど、我慢する。
店先のベンチを貸してもらい、葉書を書く。
さっき車窓から見えた郵便局で、旅行貯金と風景印。
水間寺にお参り。小学生の遠足に出くわす。
記念写真を、横からパチリ。
小学生が去ると、境内はひっそり。
ちょっと休憩させてもらったら、さあ、もう半分の「小さな旅」へ
by bochibochi35
| 2006-10-27 22:00
| 鉄路はつづく