2007年 09月 27日
「ピナイサーラ」と「めがね」 |
「とおめがね」第2話
異国を歩いてきた緊張感を少しでもほぐそうと、台湾からの帰り、沖縄に降り立った。
自分の母国に帰った安心感が、ゆっくり広がってゆく。
沖縄には、異国の香りがまだたっぷり残っている。初めての沖縄。
那覇で一泊の後、西表を目指す。南の島でゆっくりと・・・たそがれるのは・・・「めがね」やね。
そう、「めがね」の話だ。
西表での宿は、「いるもて荘」。ユースホステルだ。その頃はよくYHに泊まっていた。
毎晩、酒盛りが繰り広げられる。もちろん「泡盛」。一杯飲んでもまっかっか。
そこで寝るのだから、それでもいい。飲めないのに飲む。旅は心を寛大にする。
同泊した旅人たちと、翌日「ピナイサーラの滝」に行くことを約束した。
「海の中に道がある」。そんな案内がぼくたちをわくわくさせた。
潮の引いた午前中、湾の入り口にかかった橋の袂から、膝まで海に足をつけて歩いていける。
湾の奥に流れる川のすぐ上流に、大きな滝がある。それを目指した。
マングローブの間を縫って、男女7人の冒険団がゆく。潮が満ちるまでに帰らなければならない。
海の中をしぶきを浴びながら歩いてゆくものだから、眼鏡をはずして胸ポケットに。
そのときは、そんなに視力も落ちていなかったので、はずしても大丈夫だった。
川の入り口まで来たところで、眼鏡がないのに気づく。もうどこかは、わからない。海の中だ。
滝は大きく美しかった。と思う(笑)。記憶のかなたにかすかに残っているくらい。
それよりも、記憶が薄れたのは、眼鏡のせいだろう。動揺していたんやと思う。
帰り道、眼鏡を探しながら、ゆっくりと歩く。仲間たちも探しながら歩いてくれた。
潮は満ちてくる。ないような、あるような海の道がなくなっていく。
浜まで帰ってきて撮ったのが、上の写真だ。(スライドを携帯で撮影)
一番左にいるぼくは、心なしか元気がない・・・かな?
翌朝、ぼくは、一人で探しに行くことに決めていた。
まだもう少し旅はつづくし、学生ゆえ、もう一度眼鏡を買うことを考えると・・・・。
しおどきを考えながら、また海の道を歩くことにしたら、
「一緒にいくよ」といってくれた仲間が・・・。旅の貴重な時間をもうしわけない。
それでも、そういってくれて、本当は涙がでそうなくらい嬉しかった。
次の日、また朝から、歩き始める。
5人が横一列になってゆっくり見ていったら、必ず見つかるはず!
海の道を半分ほど歩いた時に、「あった!!!!!」。
半分砂に埋もれていたが、無事だった。 「みんな!ありがとう!」
こうして見つけてもらって、その後の旅も無事に終えることができた。
一夜を海の中で過ごした眼鏡は、時を越えて今も大切に使っている。
旅とは、本当に財産だと思う。
みたもの、きいたもの、感じたもの・・・・すべて。
そして、それは、袖触れ合った人、握手した人、肩を組んだ人・・・・・
たくさんの人が、いろんな形で支えてくれたことによってできた財産だと思う。
いつか、恩を「次の旅人」に返していきたい。
あの初代の眼鏡を見ると、いつもそう思う。
「めがね」と旅と人は、ぼくにかけがえのない財産をくれた。
最後に「ありがとう!」を!
異国を歩いてきた緊張感を少しでもほぐそうと、台湾からの帰り、沖縄に降り立った。
自分の母国に帰った安心感が、ゆっくり広がってゆく。
沖縄には、異国の香りがまだたっぷり残っている。初めての沖縄。
那覇で一泊の後、西表を目指す。南の島でゆっくりと・・・たそがれるのは・・・「めがね」やね。
そう、「めがね」の話だ。
西表での宿は、「いるもて荘」。ユースホステルだ。その頃はよくYHに泊まっていた。
毎晩、酒盛りが繰り広げられる。もちろん「泡盛」。一杯飲んでもまっかっか。
そこで寝るのだから、それでもいい。飲めないのに飲む。旅は心を寛大にする。
同泊した旅人たちと、翌日「ピナイサーラの滝」に行くことを約束した。
「海の中に道がある」。そんな案内がぼくたちをわくわくさせた。
潮の引いた午前中、湾の入り口にかかった橋の袂から、膝まで海に足をつけて歩いていける。
湾の奥に流れる川のすぐ上流に、大きな滝がある。それを目指した。
マングローブの間を縫って、男女7人の冒険団がゆく。潮が満ちるまでに帰らなければならない。
海の中をしぶきを浴びながら歩いてゆくものだから、眼鏡をはずして胸ポケットに。
そのときは、そんなに視力も落ちていなかったので、はずしても大丈夫だった。
川の入り口まで来たところで、眼鏡がないのに気づく。もうどこかは、わからない。海の中だ。
滝は大きく美しかった。と思う(笑)。記憶のかなたにかすかに残っているくらい。
それよりも、記憶が薄れたのは、眼鏡のせいだろう。動揺していたんやと思う。
帰り道、眼鏡を探しながら、ゆっくりと歩く。仲間たちも探しながら歩いてくれた。
潮は満ちてくる。ないような、あるような海の道がなくなっていく。
浜まで帰ってきて撮ったのが、上の写真だ。(スライドを携帯で撮影)
一番左にいるぼくは、心なしか元気がない・・・かな?
翌朝、ぼくは、一人で探しに行くことに決めていた。
まだもう少し旅はつづくし、学生ゆえ、もう一度眼鏡を買うことを考えると・・・・。
しおどきを考えながら、また海の道を歩くことにしたら、
「一緒にいくよ」といってくれた仲間が・・・。旅の貴重な時間をもうしわけない。
それでも、そういってくれて、本当は涙がでそうなくらい嬉しかった。
次の日、また朝から、歩き始める。
5人が横一列になってゆっくり見ていったら、必ず見つかるはず!
海の道を半分ほど歩いた時に、「あった!!!!!」。
半分砂に埋もれていたが、無事だった。 「みんな!ありがとう!」
こうして見つけてもらって、その後の旅も無事に終えることができた。
一夜を海の中で過ごした眼鏡は、時を越えて今も大切に使っている。
旅とは、本当に財産だと思う。
みたもの、きいたもの、感じたもの・・・・すべて。
そして、それは、袖触れ合った人、握手した人、肩を組んだ人・・・・・
たくさんの人が、いろんな形で支えてくれたことによってできた財産だと思う。
いつか、恩を「次の旅人」に返していきたい。
あの初代の眼鏡を見ると、いつもそう思う。
「めがね」と旅と人は、ぼくにかけがえのない財産をくれた。
最後に「ありがとう!」を!
by bochibochi35
| 2007-09-27 09:02
| 今は昔のつれづれ草