2008年 03月 18日
「銀河」からの便り |
なんという素敵な名前なんだろう。
きらきら銀色の星が瞬く夜空の下を夢を乗せて走る夜汽車。
この3月から新しいダイヤになった時刻表に、その名はもうない。
小さい頃からブルートレインに憧れをもっていた。
小さな借家が集まった地域でぼくは育った。
駆け落ちでやってきた若夫婦。中小企業の社長さんの「二号さん」。
離婚して2人の子育てに励む農協のおばさん。転勤族で関東の言葉をはなす家族。
お父さんが九州のひとで、よくブルートレインで帰郷をしていたのが、隣のその家族。
ぼくは、うらやましくて仕方なかった。
なぜぼくには、「田舎」がないのだろう。ないくせに「田舎」に帰りたい。
いや、ただブルートレインに乗りたいだけだったのかも知れぬ。
夏休み、がらんとした早朝の学校で行われるラジオ体操は、だんだん帰郷で人が少なくなる。
それでも最後まで皆勤で「ラジオ体操」に通った。だから「第二」もできる。「歌」も歌える(笑)
話は、「銀河」だった。
ラジオ体操を終えたあと、よく列車を見に行ったものだ。
朝靄の中、遠くからやってくる青い「夜行列車」をみながら、「いつか遠くへ行こう!」と決心した。
その機会は、意外と早く訪れた。いや、その嫉妬に似た羨望が、それを早めたに違いない。
東京から京都の駅に滑り込んできた列車は、「さくら」という名だ。列車番号は「1」。
これでなければならなかった。初めては、「1番の列車」。
かくして中学1年生の2人は、車中の人となる。
仲の良かったその友人は、おなじく今はもう「四十路前軍団」のひとりだ。
中学生のときだったか、東京へ遊びに行った友人たちが「銀河」に乗って帰ってきたのを、
鉄橋の脇の堤防で手を振って迎えたことがある。
お金がなくて、一緒に行けなかったことが残念でならなかった。うらやましかった。
いつか「銀河」に乗ろう!その想いは、つい3年ほど前に叶った(笑)
その後も、「羨望と嫉妬」が原動力の旅をどれだけ重ねてきただろう。
かの植村直己さんも、そのひとりだという。金持ちの友人がアラスカに行ったのをうらやんで、
いつか自分も行ってやろうと思ったとか・・・・・(聞いた話だが)。
そう、「羨望」はときにエネルギーとなって人を動かすものなのだ。
もちろん叶わぬ想いはたくさんある。叶わぬ夢も数多い。
ぼんやりと暮らしている間に、四十路前の連中は、出世し、家を持ち、家族も増やした。
うらやむ要素は銀河の星のごとく存在するが、まぁそれはそれ、ほれ、エネルギーやし(笑)
そうそう、「銀河」の話しやった(笑)
その素敵な名前の夜行急行列車が、姿を消した。
そういえば、「さくら」も何年か前に姿を消している。
去り行くものを追いたくなるのは人情だろう。
だが、なくなっても記憶の中に生き続ける。
あるひとのブログを読んでこの文章を書くことにしたのだが、
想ったことの9割は、文章にできなかった。想いが残ってしまったけど、また今度。
ヘッドライト、テールライト、旅はまだ終わらない。
いつかまた大和路を歩きにきてください。
「まほろばの 古道(いにしえみち)を ゆくきみに 優しい涙 銀河のひとつぶ」
きらきら銀色の星が瞬く夜空の下を夢を乗せて走る夜汽車。
この3月から新しいダイヤになった時刻表に、その名はもうない。
小さい頃からブルートレインに憧れをもっていた。
小さな借家が集まった地域でぼくは育った。
駆け落ちでやってきた若夫婦。中小企業の社長さんの「二号さん」。
離婚して2人の子育てに励む農協のおばさん。転勤族で関東の言葉をはなす家族。
お父さんが九州のひとで、よくブルートレインで帰郷をしていたのが、隣のその家族。
ぼくは、うらやましくて仕方なかった。
なぜぼくには、「田舎」がないのだろう。ないくせに「田舎」に帰りたい。
いや、ただブルートレインに乗りたいだけだったのかも知れぬ。
夏休み、がらんとした早朝の学校で行われるラジオ体操は、だんだん帰郷で人が少なくなる。
それでも最後まで皆勤で「ラジオ体操」に通った。だから「第二」もできる。「歌」も歌える(笑)
話は、「銀河」だった。
ラジオ体操を終えたあと、よく列車を見に行ったものだ。
朝靄の中、遠くからやってくる青い「夜行列車」をみながら、「いつか遠くへ行こう!」と決心した。
その機会は、意外と早く訪れた。いや、その嫉妬に似た羨望が、それを早めたに違いない。
東京から京都の駅に滑り込んできた列車は、「さくら」という名だ。列車番号は「1」。
これでなければならなかった。初めては、「1番の列車」。
かくして中学1年生の2人は、車中の人となる。
仲の良かったその友人は、おなじく今はもう「四十路前軍団」のひとりだ。
中学生のときだったか、東京へ遊びに行った友人たちが「銀河」に乗って帰ってきたのを、
鉄橋の脇の堤防で手を振って迎えたことがある。
お金がなくて、一緒に行けなかったことが残念でならなかった。うらやましかった。
いつか「銀河」に乗ろう!その想いは、つい3年ほど前に叶った(笑)
その後も、「羨望と嫉妬」が原動力の旅をどれだけ重ねてきただろう。
かの植村直己さんも、そのひとりだという。金持ちの友人がアラスカに行ったのをうらやんで、
いつか自分も行ってやろうと思ったとか・・・・・(聞いた話だが)。
そう、「羨望」はときにエネルギーとなって人を動かすものなのだ。
もちろん叶わぬ想いはたくさんある。叶わぬ夢も数多い。
ぼんやりと暮らしている間に、四十路前の連中は、出世し、家を持ち、家族も増やした。
うらやむ要素は銀河の星のごとく存在するが、まぁそれはそれ、ほれ、エネルギーやし(笑)
そうそう、「銀河」の話しやった(笑)
その素敵な名前の夜行急行列車が、姿を消した。
そういえば、「さくら」も何年か前に姿を消している。
去り行くものを追いたくなるのは人情だろう。
だが、なくなっても記憶の中に生き続ける。
あるひとのブログを読んでこの文章を書くことにしたのだが、
想ったことの9割は、文章にできなかった。想いが残ってしまったけど、また今度。
ヘッドライト、テールライト、旅はまだ終わらない。
いつかまた大和路を歩きにきてください。
「まほろばの 古道(いにしえみち)を ゆくきみに 優しい涙 銀河のひとつぶ」
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by bochibochi35
| 2008-03-18 10:26
| 鉄路はつづく